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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第95章 女体の摂理がもたらす刹那の静けさ
医師は真面目な面持ちで、ソファーに座る二人を見つめた。
「医学的な見地から強く申し上げますが、生理中の子宮内は非常に傷つきやすく、感染症のリスクが跳ね上がります。澪さんは明日の夜になれば最も経血の量が多い2日目を迎えることになり、週末にかけてもデリケートな時期が続きます。このような状態で、中出しを伴う激しい性交渉を行うことは、女性の身体への安全面からも、衛生面からも、物理的に絶対に無理があります。相手の男性たちとしても、経血が出ている状態では物理的にも心理的にも到底できないでしょう。出血の処理や衛生問題を考えれば、手を出せるはずがありません。鴫原さんが生理になったこと、そして1週間ほどは性行為を控えることについては、私から鬼頭社長に伝えておきます」
医師のその言葉は、絶望の泥沼に沈んでいた夫婦にとって、思いもよらない天からの蜘蛛の糸だった。
生理が来た。その自然の摂理によって、明日の夜に西新宿のマンションで待ち受けていた鬼頭からの、そして今週末に待ち受けている真壁からの、あの執拗な「中出しセックス」の要求だけは、物理的にすべて「無理」になり、先延ばしされることが確定したのだ。何より、医師が直接鬼頭に「1週間は性行為を控えるべきだ」と伝えてくれるという事実は、二人にとって最大の盾となった。
(助かった……。キスがどうなるかはまだ分からないけれど、少なくとも、明日の鬼頭さんの生出しも、週末の真壁さんのナカへの蹂躙も、これで免れることができる……っ)
雄一と澪は、繋いだ手にさらに力を込めながら、言葉にできない衝撃と、それ以上の深い安堵に震えていた。もちろん、これがただの「一時的な先延ばし」に過ぎず、生理が終われば再びあの過酷な要求が二人を追い詰めることは分かっている。キスの聖域がどうなるかも、まだ予断を許さない。
しかし、少なくとも明日、あるいは今週末という、目の前に迫っていた最大級の絶望である「他の男たちによる中出しの蹂躙」からは、身体の神秘と医師からの通達という医学的な制約によって守られたのだ。これまでの妊娠の恐怖が完全に消え去り、直近の中出しの予定がすべて先延ばしになったという事実は、二人の凍りついた心に、微かな、しかし確かな温もりをもたらした。
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