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キモおじ ~もう一つのエロ本を拾っただけなのに~
第6章 《絶望の種明かし》
優香の口から、声にならない乾いた絶望が漏れた。
終わった。
私の知っていた世界は、私が気づかない間に、もうとっくに崩壊していたのだ。
帰る家もない。すがるべき家族もいない。大学へ進学して普通の恋をする未来も、すべて消え去った。
優香の全身から、スッと最後の力が抜け落ちた。人形のように腕をだらりと下げ、うつろな瞳で宙を見つめる。

そんな優香の顔を、香代子が両手で優しく包み込んだ。
そして、自分の股間から溢れ出しているドロリとした白濁を指に絡め取ると、優香の口元へとゆっくり近づけた。

「さぁ、優香も。……ずっと、欲しかったでしょう?」

鼻先をかすめる、ツンとしたむせ返るような匂い。
二年前、あの部屋で初めて嗅ぎ、それ以来優香の身体を芯から変えてしまった、あの「生命の素」の匂い。

(あのおじさんの……気持ち悪いおじさんの……)

頭の片隅で、微かに残った理性が警鐘を鳴らす。
しかし、すべてを失い、絶望で空っぽになってしまった優香の脳は、もはや正常な判断を下すことができなかった。
目の前にあるのは、ただ強烈に鼻腔を刺激する、懐かしくも恐ろしいあの匂いだけ。
あれを口に含めば、あの日々のように頭が真っ白になって、この耐え難い現実から逃げられる。

色々な感情と記憶が混ざり合い、完全に決壊してしまった優香の身体は、思考を手放し、ただ「牝」としての本能に従って動いた。

「はぁ……あ……っ」

優香はうっとりと目を細めると、香代子の指先に絡みつく濃厚な雫に向かって、ゆっくりと、その赤い舌を伸ばしたのだった。
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