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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第4章 大きな背中に、甘い余韻 ~初めての休日と2人だけの約束①~
二人は微笑み合い、穏やかで愛おしい朝の食卓を、ゆっくりと味わった。
食事が終わった後、健治さんがコーヒーを淹れてくれ、二人でベランダへ出た。

保土ヶ谷区の8階にあるマンションのベランダからは、
今日の快晴の空の下、横浜の街並みが広がっていた。
少し遠くには、きらきらと光る海も見える。
洗濯物が風に揺れる音と、遠くの街の喧騒が微かに聞こえるだけの、
穏やかな午前中だった。

彩香は手すりに両手をつき、目を細めて景色を眺めた。
(素敵な海ね……。いつも以上に綺麗に思えるの。健治さんと一緒だからかな……)

心の中でそっと呟いた瞬間、隣で健治さんがタバコに火をつけた。
煙をゆっくりと吐き出しながら、彩香の横顔を優しく見つめている。

「どうした? そんなに海ばっかり見て」

彩香が少し照れながら答えた。

「……素敵な海ね。いつも以上に思えるの。健治さんと一緒だから、かな……」

健治さんは低く柔らかい声で笑い、彩香の肩を大きな手で引き寄せながら言った。

「俺も同じだよ。彩香が隣にいると、いつも見てるはずの景色が急に特別に見える。
この街も、この海も……全部、彩香と見るためにあったんじゃないかって、
そんな気さえしてくる」

優しくて、少し照れくさそうな、でもまっすぐな言葉だった。

彩香の頰が一瞬で熱くなり、嬉しさと恥ずかしさで視線を少し逸らした。

「……もう、健治さんったら……」

小さく呟きながら、彩香はそっと健治さんの腕に自身の腕を絡みつけた。

体を軽く寄せ、温かい二の腕に頰をすり寄せるようにくっつける。
タバコの煙の匂いと、健治さんの体温が混ざり合い、胸の奥が甘く締め付けられた。

健治さんはタバコを持つ手を反対側にずらし、
もう片方の手で彩香の指を優しく包み込んだ。

「これからも、こうやって一緒にいろんな景色を見よう。
彩香と見る朝が、俺の一番の贅沢だ」

彩香は腕をさらに強く絡め、健治さんの胸に体を預けるようにしながら、
幸せそうに目を細めた。

「うん……ずっと、一緒にいてください……健治さん」

快晴の横浜の空の下、二人はベランダで寄り添いながら、
穏やかで愛おしい時間を過ごした。
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