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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第44章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~昼編
<健治SIDE>

一方その頃 同日 同時刻 神奈川支店 13階 企画部フロア 自席

健治は自分のデスクでコーヒーを一口飲みながら、
送信したメールの送信済み画面を見つめていた。

表面上はいつもの渋く落ち着いた課長の表情を保っているが、
胸の奥では熱い独占欲と、愛おしさが静かに燃え上がっていた。

(……彩香、今頃メールを見てどんな顔をしているだろうな)

想像しただけで、口ひげの下で唇がわずかに緩む。

(残業確定の通知を見て、きっと顔を青くして、
それから耳まで真っ赤になって縮こまってるはずだ。
「2人きり」「面談室」という文字を見た瞬間、
昨日の甘やかしや、今朝までの夜のことを思い出して、
太ももをぎゅっと閉じて震えている……)

健治はPCのマウスを握る手に少し力を込めた。

(逃げ回って、好き避けして……それでも結局、俺の元に戻ってくるしかない。
それがたまらない。
あの純情で一途な彩香が、俺一人のことであそこまで慌てふためく姿……
47にもなって、こんなに興奮するなんて思わなかった)

胸の奥が熱く疼く。

(……今夜は、面談室で少し意地悪してやるか。
誰も来ない時間帯を選んだのは正解だった。
彩香の汗ばんだ顔、震える声、俺の言葉に反応して赤くなる耳……全部、俺だけのものだ)

健治は低く息を吐き、満足げに目を細めた。

(逃げてもいい。どれだけ避けようとしても、お前は俺の女なんだからな、彩香……
ちゃんと、たっぷり甘やかして、俺の形を刻み込んでやる)



<彩香SIDE>

一方その頃 同日 同時刻 神奈川支店 13階 企画部フロア 自席

彩香はメールを読み終え、絶望のあまり机に突っ伏しそうになりながら、
小さく震えていた。

(……もう、逃げられない……どうしよう……どうやってこの残業を……)

好き避けと恋心の間で、彩香の心は限界に近づいていた。
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