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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第48章 1ヶ月記念~二人だけの湘南ドライブデート~ 前編
同日 13時半 新江ノ島水族館

入場してすぐ、彩香は目を輝かせて健治の腕に軽くしがみついた。

「わあ……! すごい、ペンギンもいる……クラゲのトンネル、行きたいです!」
「好きに回ろう。今日は彩香のペースでいい」

二人は自然と手を繋いだ。
水族館内は家族連れやカップルで賑わっており、
特に休日ということもあって人通りが多い。

彩香は大勢の前で堂々と手を繋いでいることに気づき、耳まで真っ赤になった。

「……健治さん、みんな見てるかも……恥ずかしいです」

それでも指を離そうとはしない。むしろぎゅっと握ってくる。
健治はそんな彩香の横顔を見て、胸が熱くなった。
サングラスを外し、穏やかな笑みを浮かべて彼女の手の甲に親指を優しく撫でた。

「恥ずかしいなら離すか?」

「……離したくないです」

「なら握ってろ。俺は彩香とこうしてるのが、たまらなく嬉しいんだ」

彩香は嬉しさと照れでさらに顔を赤らめながらも、嬉しそうに微笑んだ。

途中、クラゲの幻想的な展示前で二人が並んで写真を撮っていると、近くの若い母親が
「ねえ、あのおじさんとお姉さん、親子みたいに仲良いね」
と子供に話しているのが聞こえてきた。

彩香が小さく吹き出す。健治は苦笑しながら肩をすくめた。

「……お父さんみたいだって言われてるぞ、俺」
「ふふっ。でも私は……そういう健治さんが大好きです」

イルカショー会場では、観客席の真ん中あたりに座った。
ショーが始まると、彩香は夢中になってスマホを構え、ずっとビデオを回していた。
イルカが華麗にジャンプするたび、「きゃあっ!」と小さな歓声を上げ、
健治の腕を何度も叩く。

「健治さん! 見て見て、すごい!」
「ああ、すごいな」

健治は彩香の無邪気な反応を、優しい眼差しで見つめていた。
時折自分の肩に頭を預けてくる彼女の髪の匂いを、そっと吸い込む。

ショーが終わった後、彩香は満足そうに息をついた。

「記念にちゃんと撮れました……後で一緒に観ましょうね」
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