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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第51章 1ヶ月記念~二人だけの湘南ドライブデート~ 後編 ②<終>
同日 12時 国道 134号線

車は湘南の海沿いから再び横浜方面へ向かって走り始めた。

カーステレオから流れてきたのは、80年代の懐かしいディスコサウンド——
大西結花「渚通りのディスコティック」。

彩香は一瞬で顔を真っ赤にした。
昨日の江ノ島・龍恋の鐘での甘い時間や、砂浜での熱いキスを思い出したのか、
シートに深く座り直し、両手で頰を押さえた。

「……っ! この曲……!」

健治はサングラスをかけたまま、口元に意地悪な笑みを浮かべた。
片手でハンドルを握り、もう片方の手を彩香の太ももに軽く置く。

「ほう……彩香の好みだな、これは。80年代アイドル歌謡、よく知ってるじゃないか。
昨日の砂浜で俺が体育座りしてたのと被るのか?」

「ち、違います……! ただ、たまたま……」

彩香は耳まで赤くなりながら、健治の視線から逃れるように窓の外を向いた。

しかし曲がサビに入ると、ますます体が縮こまる。

健治は低く笑い、彩香の太ももを優しく撫でながら囁いた。

「『激しくつかまった夜』か……
昨夜の彩香、ちょうどそんな感じだったよな?
俺のまなざしに、激しくつかまって喘いでた」

「もう……健治さん、意地悪!からかわないでください……恥ずかしいです……」

彩香は両手で顔を覆い、座席で小さくなろうとした。
しかし指の隙間から見える目は嬉しそうに潤んでおり、
口元は我慢しきれない笑みを浮かべている。

健治は満足げに彩香の頭を軽く撫で、ステレオのボリュームを少し上げた。

「いい曲だ。彩香が好きなら、帰り道に何度もかけてやるよ。
……これからも、俺とお前で『渚通り』を作っていこうか」

「……健治さん……」

彩香は恥ずかしさのあまり顔を隠したまま、
しかし幸せそうに健治の右手に自分の左手を重ねた。

カーステレオから流れるレトロなディスコの調べと、車窓を流れる海の景色が、
二人の甘く照れくさい帰り道を優しく彩っていた。
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