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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第51章 1ヶ月記念~二人だけの湘南ドライブデート~ 後編 ②<終>
同日 12時30分 国道 134号線

車が横浜市内に入り始めた頃、健治は信号待ちの間にステレオの音量を少し下げ、
彩香の方をちらりと見た。

「そういえば……15時から、俺が所属してる社会人サークルのテニス練習があるんだ」

彩香はまだ大西結花の曲が頭に残っているのか、頰を少し赤くしたままこちらを向いた。

「はい……さっきもおっしゃってましたね」

健治はサングラス越しに彼女を見つめ、低い声で続けた。

「……来る気はないか? 見学でいい。
練習の邪魔にはならないし、終わったら一緒に帰れる」

彩香の目が大きく見開かれた。

「えっ……私が、ですか? サークルの人たちに、会うんですか……?」

「ああ。俺の彼女だって、ちゃんと紹介するつもりだ」

健治の声には、いつもの落ち着きと、わずかな緊張が混じっていた。
彩香は一瞬戸惑ったように視線を落としたが、すぐに頰に小さな笑みを浮かべた。

「……行きます。健治さんの練習、見てみたいです」

「そうか」

健治は短く頷き、口元を緩めた。彩香の手が、そっと彼の右手に重なった。

その後、健治は彩香を神奈川区のマンションまで送り届けた。

「俺は行く準備をするから一旦別れるぞ。準備が終わったら俺が迎えに行くからな。」

「はい……お願いします」

彩香は玄関で健治に小さく頭を下げ、急いで自身の住む号室に向かった。

時間は13時を少し過ぎていた。

彩香はシャワーを浴びてから、シンプルながらも少しおしゃれな服に着替えた。
白の半袖ブラウスに、淡いベージュのきれいめパンツ。
足元は歩きやすいスニーカー。
今朝からつけている柑橘系の香水を、首筋と手首に軽く吹きかけた。

鏡の前で何度も髪を整え、メガネをかけ直す。胸の高鳴りが止まらない。

「……健治さんの彼女、だって紹介されるんだ……」

小さく呟きながら、彩香は1Fフロントで待った。
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