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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第7章 初めての2人の秘密の月曜日 ~会議と、疼く想い~
<健治SIDE>

日曜日 夜9時を少し過ぎた頃。

健治は自宅のトレーニングルームで、いつもの2日に1回の日課を終えていた。
ランニングマシンで45分間汗を流した後、腹筋を150回、
ハンドダンベルを使った胸トレと肩トレを丁寧にこなした。

鏡の前に立つと、47歳の体がはっきりと映っていた。
整えた口ひげが男らしいアクセントになり、少し大きめで厚みのある胸板には、
さっきまでの筋トレの成果で汗が光っている。

Tシャツは胸のあたりがびっしょりと濡れ、肩や腕の筋肉が浮き出ていた。

「ふう……」

健治はタオルで顔と首の汗を拭いながら、満足げに息を吐いた。

トレーニング後のこの高揚感が好きだった。

シャワーを浴びる前にリビングに戻り、社用スマホを手に取った。

明日の予定を軽く確認するためだ。

メールアプリを開くと、
部署内の共有カレンダーに明日の予定が更新されているのが目に入った。

【14:30 部署内Zoom会議(顔出し必須)】


「……ほう」


健治の口元に、自然と笑みが浮かんだ。
にやりと、わずかに意地悪な笑みだった。

(彩香……明日、顔が見られるのか)

彩香が入社して以来片思いしていた健治は金曜の夜にその願望が叶い、初めて結ばれ、
そのまま一晩過ごし、土曜夕方まで甘い時間を過ごしたばかりの恋人の顔を、
仕事中に合法的に見られることに、胸の奥が熱くなった。

しかし、次の瞬間、健治の表情が少し引き締まった。

(……いや。約束したんだ)

彩香とは、職場では今まで通り「上司と部下」として振る舞うこと。

恋人関係であることは絶対に秘密にする。

彩香もそれを望んでいた。健治はスマホを握ったまま、静かに息を吐いた。

「……頑張らないとな」

47歳の男は、口ひげを軽く指で撫でながら、苦笑いを浮かべた。

恋人として彩香を甘やかしたい気持ちと、
課長としてしっかり線引きしなければならない現実。

その狭間で、胸に複雑な感情が渦巻いていた。

それでも健治は、ゆっくりと立ち上がり、シャワールームへと向かった。

背中と胸板に残る汗が、夜の照明に鈍く光っていた。
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