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あなたの一番になりたいのに
第2章 【誰よりも愛しているのに】
固まったままだったから
「濡れてますよ?」とネクタイがシミに
ならないようポンポンと押さえて拭き取る
「す、すみません!」
「いえいえ、お水で良かったですね」
「は、はい…」
歳は同じくらいかな?
スーツ着て営業まわりといったところか?
店員さんも駆け寄り、後は任せた
「ハンカチ汚してしまってすみません!」
そう呼び止められたが気にしない
「私もよく零すのでそれ専用のハンカチだからお気遣いなく」と言い残してその場を去った
すぐ傍のビルに入るところ見られてたみたい
まさかそのお方がうちの会社の取引先になるお方
だったなんてその時は全く知る由もなく……
同じ会社だと言っても、カンナさんは社長
めちゃくちゃ忙しい人だ
社内で同じフロアでも会える確率は低い
見かけたかと思えば
サツキさんと阿吽の呼吸なやり取りしながら
風のように去って行く事もしばしば
でもさ、仕事してる時のカンナさんの
格好良さと言ったらもう……
その辺のイケメンとは比べ物にならない
女神、ビーナス……
思わず見惚れてしまうのも仕方ない事なの
通りすがりだけでも見れて幸せ……
すぐにスマホが鳴ってメッセージを確認すると
(ミオ、見過ぎ、照れるから)ってバレてた
同僚にも「見惚れちゃうよね」ってバレバレで
顔から火が出る
「あのビジュが家に居るんでしょ?大丈夫?休めてる?私なら終始ドキドキして泡吹いちゃいそう」
「ねぇねぇ、家では社長ってどうなの?あのまんま?」
「社長のプライベートってずっと謎だったけど香月さんは見れてるんだよねぇ?羨ま…」
あっという間に周りを囲まれて質問攻め
やっぱりこうなるよね、私のバカ〜!
引きつり笑いしてると内線が鳴る
皆の視線は社長室からの内線だとわかりニヤニヤ
「はい、香月です……わかりました」
席を立ち社長室へ向かう私を全力で見送るのヤメて

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