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あなたの一番になりたいのに
第3章 【あなただけで良いのに】





「カンナさん…?」



私の呼びかけにハッとしたようで優しく微笑む
誤魔化された気がしたけど深くは追求出来なかった
昨日泣いてた事、覚えてるんだろうか
初めて漏らした弱音や不安も残ってるのかな
普段はそんな事一切しないから気付くのが
遅かったよね



「朝ご飯ありがとう」と席に着き
胃に優しい卵粥を口にする
食べた後はスーツに着替えて支度するんだけど
何を着ても似合っててサマになってる
トレンドを押さえつつ、且つ上品な着こなし
彼女だからこそ出せる無敵感
アクセサリーは控えめだけど
がっつりとハイブランドだし格好良い
こんな女性になりたいなって憧れてしまう



「どうしたの?」とガン見しちゃってる私に
声をかけてきた
いや、爆ビジュ過ぎて見惚れてました
なんて言えるはずもなく
腕時計を着けながらこっちに来て
「キスのお強請りだった?」って顔近付けてくる



チュッと軽めのキス
仕事モードに切り替わった彼女も良い
一緒に家を出て彼女の車で出社する
最初こそは人目を気にしていたけど
「堂々としていれば良い、皆、理解している」
と言われ、その言葉を信じる事にした



こんな普通のいち社員が社長と一緒に出社してる
なんてどんな風に理解されてるの?
私と社長は、やっぱりお付き合いしてるって
事で合ってるよね?
一緒に住んでるし、扱いが他の人と違い過ぎる
キスもすんなり受け入れてくれてるし
告白もしたしされたし……
それで記憶失って、それでも一緒に居て
支えてくれてるんだよね、カンナさんは



はぁ……どれだけお世話になってるの
愛され過ぎでしょ
何で思い出せないのよ、このポンコツ頭!!
以前ほど強い頭痛はなくなってきてるけど
時々クラクラしたりズキッと痛みが走ったりする
そういう時は無理するなっていうサインだと
思って考えないようにしてるの



だけど、外で車の急ブレーキの音とかを耳にすると
身体が固まってしまう時がある



「香月さん?」



背後からそう呼ばれ、顔だけ向けるも
進藤さんだとわかった瞬間にフラつき
抱きかかえられるように倒れ込んだ
しまった……外回りで仕事終わりだったけど
今日はたまたま一人だったの……







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