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あなたの一番になりたいのに
第3章 【あなただけで良いのに】





目が覚めるとそこは知らない場所だった
ソファーに寝ていて、何処かの一室
事務所っぽい?
誰も居なくてブランケットがかかった状態だった
タイミング良くドアが開いて誰かが入って来る



「あっ…良かった、香月さん、この近くで急に倒れたんです、覚えてますか?」


「えっと……はい、進藤さんが運んでくださったんですか?」


「すみません、救急車を呼ぶか悩んだんですけど」


「いえ、ありがとうございます、もう大丈夫ですので…」



そう言うそばからフラついてしまい、支えてもらう



「顔色が悪いです、もう少し休んでください」


「すみません…」



お水や氷枕、クッションなどを用意して
額の汗も拭いてくださる
初めてフラッシュバックに陥った
事故によるものだと思う



やはり進藤さんの会社で、社長室だった
私が倒れた現場から10分ほど走ったと言う
あっ……車の中だ、スマホ
電話をお借りしようとしたら
もうカンナさんに連絡を入れたらしい



身体を起こすとまた支えてもらう
「無理しないで」と頭ごと肩に乗せられた



「もう大丈夫です」


「まだ、心配なんだ」



あれ… 記憶が… ごちゃごちゃになってる…
病院に居た頃の記憶に戻ったみたい



顔を上げると近くに進藤さんの顔



至近距離で目が合って、進藤さんの喉が鳴った
唇に視線が移り、見つめていると
肩を抱いていた手に力が籠る
次第に顔が近付いて来る



頬に手が触れて首に添えてきた
唇が触れるその瞬間、咄嗟に指先で止めた



あっ……違う、って思った
その時、バン!という音と共にカンナさんが
社長室に入って来た
近過ぎる距離、フリーズして動けない私の元へ



「カンナさん、私…っ」


「良いから帰るよ」


「まだ寝かせておかないとダメですよ」



そう言う進藤さんと睨み合うカンナさん



「助けて頂いたのは感謝します、病院に連れて行くのでこれで失礼します」


「カンナさん…」


「首に手回して」



軽々とお姫様抱っこされて連れ出された
進藤さんも何も言えない空気感







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