この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ウイングの徒然草
第1章 やっと書いたんです……
やっと書いたんです。
そう言える作品が、ひとつできました。
今日は、もう少し昔の話をしようと思います。
まだ私が『特別捜査官・優子』を公開していた頃のことです。
もう十年以上前になるでしょうか。
ある女性読者の方から、電話越しにとても印象に残る言葉をいただいたことがあります。
その方のご主人は、ゴーストライターをされている方でした。文章の世界を、少し近い場所で見ている方だったのだと思います。
その女性が、私の作品を読んで、こう言いました。
「ご自分の文章がどれだけ人を惹きつけているか、分かっていないでしょう……」
正直に言えば、そのときの私は、その言葉をうまく受け止められませんでした。
もちろん、嬉しくなかったわけではありません。
むしろ、とても嬉しかったです。
ですが、自分ではただ好きなものを書いているだけでした。官能小説を書き、女性が追い詰められていく心理を書き、言葉ではなく空気で支配されていく場面を書いていた。
それが人を惹きつけるものなのかどうかなど、自分では分かりませんでした。
その方は、私にこうも言いました。
「官能だけではなく、ほかのものも書いた方がいい」
その言葉も、ずっと心のどこかに残っていました。
当時の私は、たぶんその意味を分かっていなかったのだと思います。官能を書くことが好きでしたし、読者もそこを求めてくれていました。だから、あえて別のものを書く必要があるのか、自分でもよく分かっていませんでした。
けれど、今になって思います。あの人は、私の文章のどこかに、官能以外にも通じるものを見てくれていたのかもしれません。
人物の心理。
沈黙の間。
追い詰められていく空気。
一度踏み込んだら戻れない場面。
そして、読者に先を読ませる引き。
それらは、官能だけのものではありませんでした。
今回、まったく別のジャンルを書いていて、何度もそのことを感じました。
そう言える作品が、ひとつできました。
今日は、もう少し昔の話をしようと思います。
まだ私が『特別捜査官・優子』を公開していた頃のことです。
もう十年以上前になるでしょうか。
ある女性読者の方から、電話越しにとても印象に残る言葉をいただいたことがあります。
その方のご主人は、ゴーストライターをされている方でした。文章の世界を、少し近い場所で見ている方だったのだと思います。
その女性が、私の作品を読んで、こう言いました。
「ご自分の文章がどれだけ人を惹きつけているか、分かっていないでしょう……」
正直に言えば、そのときの私は、その言葉をうまく受け止められませんでした。
もちろん、嬉しくなかったわけではありません。
むしろ、とても嬉しかったです。
ですが、自分ではただ好きなものを書いているだけでした。官能小説を書き、女性が追い詰められていく心理を書き、言葉ではなく空気で支配されていく場面を書いていた。
それが人を惹きつけるものなのかどうかなど、自分では分かりませんでした。
その方は、私にこうも言いました。
「官能だけではなく、ほかのものも書いた方がいい」
その言葉も、ずっと心のどこかに残っていました。
当時の私は、たぶんその意味を分かっていなかったのだと思います。官能を書くことが好きでしたし、読者もそこを求めてくれていました。だから、あえて別のものを書く必要があるのか、自分でもよく分かっていませんでした。
けれど、今になって思います。あの人は、私の文章のどこかに、官能以外にも通じるものを見てくれていたのかもしれません。
人物の心理。
沈黙の間。
追い詰められていく空気。
一度踏み込んだら戻れない場面。
そして、読者に先を読ませる引き。
それらは、官能だけのものではありませんでした。
今回、まったく別のジャンルを書いていて、何度もそのことを感じました。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


