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お題小説第6弾「苦い恋」
第1章 苦い恋
「昔はよくこうして二人で飲んだよねー」
夏津子(なつこ)がグラスを傾ける。
飲んでいるのは、
ラムベースのカクテル、モヒート。
爽やかな酸味と甘味、ミントの香りが鼻腔を抜ける。
夏津子との付き合いは大学時代からだ。
さっぱりした性格で、細やかさはないものの
女性特有の、裏表というか、ジメッとしたところがなくて、
私はとても付き合いやすいと感じていた。
そんな彼女は昔からこのモヒートが好きだった。
「最近どう?亜紀は?」
彼女と飲むのは、そう、かれこれ3年ぶりか。
私達も28になった。
ちょっと頭の古い親からは、
そろそろ結婚しないのかと言われるようになって久しい。
結婚したくないわけじゃないけど、
仕事も忙しく、趣味も充実している。
恋に割ける時間が、あんまりない…というのは言い訳かな?
女らしさがないのだ、私も。
「うん、まあまあ」
「男とかは?」
「いないかなあ」
「もったいない」
今日の飲みは、珍しく連絡をよこした夏津子から誘われたものだった。
短い連絡、『暇ある?』『6月5日、新宿来れる?』
それで、今日、こうして互いに仕事上がりに、
新宿のバーで飲んでいる。
「いい女二人で、こんなところで飲んでるなんてね」
「自分で言うの?」
「誰も言ってくれないからね」
そう言って笑った夏津子の顔は、
昔のままのように思えた。
「…その、夏津子は?最近…なにか変わったこととか?」
「うん?私?…」
ちょっと考えてから、ニコっと笑って
ないよ、と言う。
モヒートをひと口、
そして、正面に目をやる。
その横顔が、なんとなく、寂しげに見えた。
「…そう」
並んで座る、バーカウンター
互いに顔を見合わせないのはこういう時、楽だなと思う。
あれはやっぱり見間違いだったのかな?
先日のことを私は思い出していた。
営業で遅くなったとある日のこと。
場所は、いわゆるラブホテル街。
彼女とは明らかに不釣り合いな年のいった男性に肩を抱かれて、
下卑たネオンサインのホテルに消えていった。
そんな…
夏津子に限って
気持ちが落ち着かなかった。
もしかしたら相手の男性が未婚かもとか、
年が離れているように見えただけかも、とか…
でも何度、思い出してみても、
そんな考えは都合のいい自分勝手な解釈にしか思えなかった。
夏津子(なつこ)がグラスを傾ける。
飲んでいるのは、
ラムベースのカクテル、モヒート。
爽やかな酸味と甘味、ミントの香りが鼻腔を抜ける。
夏津子との付き合いは大学時代からだ。
さっぱりした性格で、細やかさはないものの
女性特有の、裏表というか、ジメッとしたところがなくて、
私はとても付き合いやすいと感じていた。
そんな彼女は昔からこのモヒートが好きだった。
「最近どう?亜紀は?」
彼女と飲むのは、そう、かれこれ3年ぶりか。
私達も28になった。
ちょっと頭の古い親からは、
そろそろ結婚しないのかと言われるようになって久しい。
結婚したくないわけじゃないけど、
仕事も忙しく、趣味も充実している。
恋に割ける時間が、あんまりない…というのは言い訳かな?
女らしさがないのだ、私も。
「うん、まあまあ」
「男とかは?」
「いないかなあ」
「もったいない」
今日の飲みは、珍しく連絡をよこした夏津子から誘われたものだった。
短い連絡、『暇ある?』『6月5日、新宿来れる?』
それで、今日、こうして互いに仕事上がりに、
新宿のバーで飲んでいる。
「いい女二人で、こんなところで飲んでるなんてね」
「自分で言うの?」
「誰も言ってくれないからね」
そう言って笑った夏津子の顔は、
昔のままのように思えた。
「…その、夏津子は?最近…なにか変わったこととか?」
「うん?私?…」
ちょっと考えてから、ニコっと笑って
ないよ、と言う。
モヒートをひと口、
そして、正面に目をやる。
その横顔が、なんとなく、寂しげに見えた。
「…そう」
並んで座る、バーカウンター
互いに顔を見合わせないのはこういう時、楽だなと思う。
あれはやっぱり見間違いだったのかな?
先日のことを私は思い出していた。
営業で遅くなったとある日のこと。
場所は、いわゆるラブホテル街。
彼女とは明らかに不釣り合いな年のいった男性に肩を抱かれて、
下卑たネオンサインのホテルに消えていった。
そんな…
夏津子に限って
気持ちが落ち着かなかった。
もしかしたら相手の男性が未婚かもとか、
年が離れているように見えただけかも、とか…
でも何度、思い出してみても、
そんな考えは都合のいい自分勝手な解釈にしか思えなかった。

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