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美香 〜遠い専務と私の二年間〜
第1章 美香 〜専務と私の二年間〜
「いつでも僕の家に来ていいから」

手渡された銀色の合鍵は、私の掌で冷たく鈍い光を放っていた。いつでも、という言葉の裏側に、会社で見せるあの女の影を探ってしまうのは私の悪い癖。

いつでも?って。あなたには他に女がいるんでしょ。知ってます。あなたと会社のあの女。恋人のように寄り添って歩いていたわよね。その女には合鍵は渡してないの?そんなこと、怖くて聞けないけど。

嫉妬の苦みを喉の奥に飲み込みながら、「どうして私を誘ったの?」と尋ねた日のことを思い出す。

「君が僕の好みだったから」

まっすぐな彼の瞳は、私の心の奥底まで見透かすようで、私はただその熱に溶かされるしかなかった。

週末、鮮やかな緑の芝生を歩いた後、愛車の赤い車を会社の駐車場に滑り込ませる。隣に停まる彼の大きな車の陰に隠れるように、私は人知れず彼の助手席へと身を沈めた。秘密の共犯者となるこの瞬間、胸の鼓動が高鳴るのを感じる。

彼のマンションのドアを抜け、玄関に足を踏み入れた途端、背中は冷たい壁に押し付けられた。視界が塞がれ、熱を帯びた彼の唇が私のそれを貪る。絡み合う舌から伝わる甘い味わいと、静寂に響く生々しい水音が、私の中に眠る淫靡な花を咲かせていく。彼の手がブラウス越しに私の身体の曲線をなぞり、衣擦れの微かな音とともに上着が床へ滑り落ちると、私は彼から贈られた黒いレースのランジェリー姿になった。

「これ、あなたにプレゼントしてもらったランジェリー。ゴルフ終わった後、着替えたのよ。」

黒いレース越しに浮かび上がる私の肌を、圭佑は甘く熱を帯びた瞳で見つめている。

「綺麗だよ、美香」

掠れた彼の低い声が耳元を震わせる。黒いレース越しに透ける白い肌を、彼は甘く飢えた瞳で見つめていた。漆黒の薄布がふわりと床に落ちると、レースの摩擦が肌の感覚を研ぎ澄ませていく。彼の手が熱の震源地へと滑り落ちると、私の奥深くからは抗えないほどの蜜が重く溢れ出していた

彼は私を抱きしめながら、再度、「すごく綺麗だ……」と低く掠れた声を私の耳元に落とした。

そして、圭佑は私の手首をそっと掴むと、玄関の壁に私を添わせ、そのまま私の首筋へと熱い唇を這わせた。背中に冷たい壁の温度を感じながらも、肌に落とされる滑らかなキス、舌を絡めあうディープなキスの感触で私の中に潜む淫乱な花が咲き始めている。
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