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美香・透明な婚姻
第5章 生まれたままの白昼夢
両手を後ろについて最後の一突きを最奥で受け止めた瞬間、頭の中の風船がパーンと鮮烈に弾け、視界が真っ白に染まった。

身体の芯、子宮の奥底から痺れるような熱い余韻がじわじわと全身の血管へ満ちていく、言葉にできないほどの幸福感。それと同時に、よし兄は素早く肉棒を引き抜き、私の顔へと熱い欲望のすべてを容赦なく解き放った。肌に飛び散る熱い液体の感触が、限界まで高まった情事の終焉を告げていた。

すべてが終わった。

彼の逞しい腕からようやく解放され、砂の上のクッションマットへ脱力して寝転んだ私の身体は、重力を失ってまるで宙に浮遊しているかのような奇妙な感覚に包まれていた。ドクドクと激しく打っていた心臓の鼓動が次第に落ち着きを取り戻し、荒かった呼吸がゆっくりと整っていく。

剥ぎ取られたビキニの残骸、充満する汗と愛液の匂い、そして肌に残るよし兄の体温。限界まで張り詰めていた緊張の糸が解け、この閉ざされた密室から、ようやく外の日常の世界へと意識が繋がっていく安心感のなかで、私は抗えないほど激しく、けだるい眠気へとゆっくり沈んでいった。

四肢の先まで痺れるような疲労感が、心地よい微睡みとなって私を包み込んでいく。

どれほど時間が経っただろうか。

「秀隆、ちょっと弘毅をみてて。私、トイレに行ってきたいの」

妹の由衣の、いつもと変わらない日常のトーン。それに続くように、「ああ、分かった」と、短く無愛想に応じる秀隆くんの低い声と、わずかな気配が微かに聞こえてきた。 そのリアルな日常の足音が届いた瞬間、私の心臓はドクリと大きく跳ね上がった。一瞬前までの心地よい微睡みは一吹きで吹き飛び、冷や汗が背中を伝う。

彼らが今、どんな表情をしてあの白く輝く砂浜の上に佇んでいるのか、私には分からない。眩しい太陽の下、無邪気に砂と遊ぶ子供たち、そして何事もないように振る舞う夫婦。そのすぐ目と鼻の先で、衣服をすべて剥ぎ取られ、淫らな姿をさらした私。

背徳的な妄想が引き金となり、私のなかの理性が、音を立てて狂い始めていく。よし兄の精液で汚れた顔のまま、私は静かに唇を噛み締め、外の気配に耳を澄ませながら、ゾクゾクとする歪んだ快感の余韻に深く震えていた。
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