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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第2章 義息~超えてはいけない境界線(1)
「お義母さん、せっかくだから着けてみてくださいよ」
「そうそう、着けて、着けて」
「どっちの耳がいいかしら?」
「女性はピアス一つの場合は右耳って、ママが言ってなかった?」と言いながら、葉月は右耳を差し出す。そこには、プレゼントされたピアスと同じ形のダイヤのピアスが光っていた。
「じゃあ、そんなに言うんだったら着けるわね。ちょっと待ってて」
娘たちはニコニコしながら私のことを見ている。
洗面台の三面鏡の前に立ち、肩までかかる黒髪をかき揚げ、右の耳たぶを引っ張る。ピアスは最近つけていなかったから、穴がふさがりかけていないか心配だったが、ポストはすっと耳の穴を通った。リビングの白い蛍光灯の下ではなく、三面鏡の薄いオレンジの光の下で見るシトリンは、より一層、太陽のような輝きを放っていた。最初に宝石を見たときとは違う、静かな喜びが水のようにあふれ出す。
私はリビングに戻った。(朝からファッションショーみたい)って少しの照れくささも合わさって、「どう、似合ってるかしら? 私って綺麗?」とジョーク交じりに腰をくねらせながら二人の前に立った。
「ママ、すっごく綺麗。似合ってるわよ。何をプレゼントしようかって散々悩んだんだけど、それにして良かった」
「ねえ、これって高かったでしょ。無理させたんじゃないの?」
余計な心配はしないの、と言わんばかりに葉月はかぶりを振って見せた。
そして、「次はジャージ姿じゃなくて、ドレスアップしてから着けてね」という言葉で、一気に現実世界に戻る私であった。
「そうそう、着けて、着けて」
「どっちの耳がいいかしら?」
「女性はピアス一つの場合は右耳って、ママが言ってなかった?」と言いながら、葉月は右耳を差し出す。そこには、プレゼントされたピアスと同じ形のダイヤのピアスが光っていた。
「じゃあ、そんなに言うんだったら着けるわね。ちょっと待ってて」
娘たちはニコニコしながら私のことを見ている。
洗面台の三面鏡の前に立ち、肩までかかる黒髪をかき揚げ、右の耳たぶを引っ張る。ピアスは最近つけていなかったから、穴がふさがりかけていないか心配だったが、ポストはすっと耳の穴を通った。リビングの白い蛍光灯の下ではなく、三面鏡の薄いオレンジの光の下で見るシトリンは、より一層、太陽のような輝きを放っていた。最初に宝石を見たときとは違う、静かな喜びが水のようにあふれ出す。
私はリビングに戻った。(朝からファッションショーみたい)って少しの照れくささも合わさって、「どう、似合ってるかしら? 私って綺麗?」とジョーク交じりに腰をくねらせながら二人の前に立った。
「ママ、すっごく綺麗。似合ってるわよ。何をプレゼントしようかって散々悩んだんだけど、それにして良かった」
「ねえ、これって高かったでしょ。無理させたんじゃないの?」
余計な心配はしないの、と言わんばかりに葉月はかぶりを振って見せた。
そして、「次はジャージ姿じゃなくて、ドレスアップしてから着けてね」という言葉で、一気に現実世界に戻る私であった。

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