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素敵な笑顔
第9章 音 好きなもの
 それからドール。
憂いを帯びたようなあの表情。
角度を変えてもこっちをみているような
目の深みに惹き込まれてしまう。
やわらかそうなくちびる。
白に近い金髪で、瞳の色はグリーンで、
黒のドレスに、
アゲハ蝶のような羽根と触覚風の髪飾りをつけている。

 ドールはおばあちゃんが、
わたしの10歳の誕生日に買ってくれたものだ。
好きとはいえ、その一体しか持っていない。
何体か欲しいなって思うけど、お値段が…… 
新しい衣装さえもなかなか…… 
でもいいのだ。
アゲハ蝶の妖精チックな衣装が
すごく似合っているからいいのだ。
一番似合っているからいいのだ。

 あとひとつ、恥を忍んで言えば、Snowman。
Snowmanの紫のひと。
ほんとうに、ただ憧れているだけ。
目立たないように物陰から、
そっと見ているだけだから許してほしい。
身の程知らずと笑わないでほしい。
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