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第31章 Lesson お仕置き

ドックン…

ここで降ろされるなんて…
まるで突き放された気持ちになる。

でも…

今まで私は、ヤナセに甘え過ぎていた。

自分の人生だ。

自分で本当に悔いがない様に…

自分で責任を持っていかないと。

「分かりました…アドバイス…有難うございました…」

そう思っても、視線が俯き加減になって声が震えてしまう。

荷物を抱き抱える様に持って、片足を地面に付け、飛び出す様にタクシーを降りようとした時…

「琴海様！」

またヤナセに、呼ばれる。

「はいっ！」

今度は何っ！？
正直頭の中がグチャグチャで、泣きそうなんですけど！

振り向くのが怖くて、髪の毛で表情を隠す様に首を少し回す。

「先後に決断するのは…琴海様ですが…」

「………はい…」

もう散々言われて、分かりました！

泣きそうなのを堪えて、下唇が突き出てしまう。

「お話しは…何でも伺いますので…いつでもご遠慮なくご連絡下さい…」

「ヤナセ…さん…」

そうだ…
やっぱり、ヤナセが突き放す訳がない…。

「有難う…ございます…しっかりと見極めて、今後の道を選びます…」

ハッキリそう伝えると、ヤナセは目を細めて優しく微笑んでくれた。

私も目から涙は零れてしまったけど、ヤナセに心から素直に微笑んでいた。