パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第33章 Lesson 柳瀬様

「ひっく！ふっく！ひぃぃぃぃん！」

まるで迷子になった子供が、母親に会った瞬間みたいに号泣した。

『琴海様っ！如何されましたか！？』

いきなり泣き出した私に、ヤナセは声が大きめになる。

「ひぃっくぅ…だ…旦那がぁ…手紙を…」

『旦那様が…お手紙を残されて…出て行かれたんですか…？』

流石ヤナセ！
察しが良い！

「り…離婚…って…」

上手く言葉が纏まらなくて、断片的に伝えてしまうが

『離婚届も…一緒ですね…？』

「へ…はいぃぃぃ〜！」

やっぱりヤナセ、何処かで見てる〜！

そんな訳ないのに、もう私の思考はひっちゃかめっちゃか状態だった。

『琴海様…他には旦那様から…何かございましたか…？』

ヤナセは私を落ち着かせるためか、記憶を引き出す様にゆっくり静かに聞いてくる。

「ぐす…ひょ…かぁ…？」

ほか…他…あっ！

「一ヶ月後に…このマンションを処分するって…ひっく…新しい住まいを探す資金の通帳が……ふっく…」

『畏まりました…琴海様本日のご予定は？』

きっとヤナセは、もう算段を立てたのであろう。

「今日は…膣トレの…ぐす…レポートを…」

要点だけ言えばいいのに、気が動転していて要らん事ばかり言ってしまっている。

『承知しました…琴海様…夕方…スクールに来られる事は可能ですか？』