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第34章 Lesson お引越し

ヤナセは私が口を濯いでいる間に、帰り支度を済ませていて、リビングに戻るとスクールの時みたいに、深々と綺麗なお辞儀をした。

「琴海様…遅くまで大変失礼致しました…お疲れ様でしょうから…早くご就寝して下さいませ…」

「はい…今日も色々と有難うございました…」

ヤナセと同じくらい自分も深々と、直角にお辞儀をする。

本当に色々と疲労困憊で、ヤナセが帰るとなった瞬間、一気に眠気が襲ってきて、そのまま前につんのめりそうだ。

「クス…琴海様…鍵は閉めますので…もうここで結構ですよ…」

寝ぼけた顔の私にヤナセは気を使ってくれたが、ここまでしてくれた『ヤナセ様』を見送らなかったら、罰が当たってしまう！

「いえっ！大丈夫です！ヤナセさんも疲れの所、わざわざ有難うございました！」

本当にそう思った…

もっと感謝の言葉を並べ立てたいくらいだ！
たまに起きる珍プレイは、さて置き…。

「クスクス…いえ…こちらこそ楽しい一時を過ごせました…では…またレッスンでお待ちをしております…」

麗しの微笑みで、ヤナセは私を現実に引き戻す。

ドックン！

『レッスン』との言葉に、いよいよここから女性講師を目指して突き進んでいくんだと武者震いしそうだった。