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ラブカルチャースクール 2
第35章 M Lesson 12回目
無意識に目を瞑って聞き入りそうになっていると

「琴海様…眠いですか…?」

ヤナセの指が止まった。

「あっ!いえっ!キーボードの音に聞き入ってしまいまして」

素直に言うと、ヤナセは目を見開いて一瞬固まった。

「フッ…クスクス…クッ…そうですか…そんな方…初めてです…」

サラサラの前髪と肩を小さく揺らしながら、ヤナセは楽しそうに笑った。

「えへ…へへ…そうですよね…」

ちょっと恥ずかしかったけど…
ヤナセが楽しそうにしているのは、凄く嬉しく思えた。

誰かに喜んで貰える…
楽しんで貰えるって…

自分も幸せだと思える事なんだな…。

旦那にはしてあげられなかった事を…
これからはたくさんの生徒に…
講師に…

何より、自分らしく…

役立っていきたと思った。

「次は5日後の実技でお願いします」

「畏まりました…5日後…実技レッスンにてご予約を承ります…」

ヤナセの低い声と、キーボードの音に浸りながら、ローズヒップを味わう様に飲むと…

気持ちがホッコリした。



いつか…

『眠れぬ王子』に会えるかな…。

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