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ラブカルチャースクール 2
第35章 M Lesson 12回目
ヤナセは指を撫でる様にゆっくり離していく。

「本当に…琴海様の頑張りは…素晴らしです…将来が楽しみですね…」

そう言って首を少し傾けながら、いつもの如く綺麗だけど…
なんかちょっと…

寂しそうにも見えた。

「ヤナセさん…?」

女性講師の役割を教えてくれた時から、何か少し変な気がする…

ヤナセに『変』って思うのも変だけど…
言葉は『期待』されているが、表情は物凄く『憂い』ているような…。

「琴海様…」

「はい…」

ヤナセは硝子玉みたいに透き通るヘーゼルで、惜しげも無くジッと見詰めてくる。

ドックン!ドックン!

この瞳に見詰められるだけで、悩殺されそうだ。

「ヤナセ…さん…」

でも負けじと沈黙を破ると…

「次のレッスン…いつに致しましょうか…?」

「へ…次…」

「はい…実技にされますか…教養にされますか…?」

さっきまで私の手を握っていた指は、カタカタと華麗にキーボードを叩き出した。

切り替えの早さに、唖然としてしまう。

私の目の前には、まだ麗しの貴公子の残像がボヤけて残っていたが、手でパタパタ払って散らす。

「次は…」

「はい…」

カタカタカタ…

キーボードを叩く音が、耳の奥に優しく響いて…

心地良い…。

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