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第42章 Lesson 特殊課題

ヤナセは最初から今まで、たくさん支えてきてくれた。

だから私も――――

「奥さん…今度ゆっくりお話ししたいことがあるんです」

「あら〜何かしら？今日じゃなくて良いの〜？」

「はい！私の夢の話しなんです！店長と一緒に聞いて貰いたんです！」

「ふふふ〜じゃぁ楽しみにしているわね〜」

「えへへ〜有難うございます！」

奥さんは本当に楽しみにしているように、明るく笑い掛けてくる。

まだどうなるか分からない『卒業レッスン』。

でも私はスクールの未来や生徒を思うヤナセの気持ちに、どうしても応えたい。

四天王の温かさに…

今まで励ましてくれた講師陣たちに…

私を信じて待っていてくれるセイジに…

『女性講師』として報いたい――――。

貰ったサンドウィッチとバッグを持って店を出る。

「お疲れ様でしたぁ〜！」

カラ〜ン！コロ〜ン！

勢い良く開けたドアの呼び鈴が、未来へ一歩前進するベルに聞こえる。

昼間は殺風景なオフィス街も夜になると、ビルの灯りが地上の星に見えた。

「さてと…帰ったらやることいっぱいだ」

『一発合格しろ』

あの低い声が耳の奥で反芻して、気が引き締まる。

「絶対…一発合格」

鋭く光るイーグルアイが真っ直ぐ見据えて導いてくれた道を付いて行こうと決意しながら、ビルの谷間を走り抜けた。