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ラブカルチャースクール 2
第44章 Lesson 仲間
駅が見えてくると人も増えて雑多の音と声が入り混じり、少し騒がしくなる。

「ヤナセさん、資料持ってくれて有難うございました!」

「はい…結構重たいですので…帰りまでお気を付けて下さい。やっと先日のお怪我も治ってきた頃ですので…」

「あ…はい…。転ばないようによくよく気を付けます」

ヤナセに治療して貰ったところは瘡蓋ができていて、少し痒みが出てきていた。

いい年した大人がダイブするように転んだんだから、恥ずかしいけど念押しされてもしかたがない。

「では…引越しや入寮の際はまた…ご連絡致しますので」

「分かりました!宜しくお願いします!」

元気良く答えて資料を受け取ろうとすると、ヤナセは何も持っていない方の手を差し出してきた。

「ヤナセさん?」

不思議そうに聞き返すとヤナセは

「琴海様…改めて…おめでとうございます」

私の手を珍しく力強く握った。

『握手』だった――――。

ヤナセに握手して貰えるなんて思ってもみなくて、胸がジーンと熱くなる。

「有難うございます!これからもご指導宜しくお願いします!」

目元を潤ませながら満面の笑顔で握り返す。

「はい…宜しくお願いします」

ヤナセは麗しの微笑みを湛えながらも、揺らめくヘーゼルの瞳は…

ちょっと切な気に見えた気がした。

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