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第14章 M Lesson Fell

「沈むぅ……セイ…」

「琴海さん！ここは陸ですよ！！」

バサッ！

頬に風が靡いてきた。

あぁ…船にでも拾われたかしら…
ん…陸…？

「溺れる！」

必死で空を掴む様に、手を伸ばすと…

「はい…もう大丈夫です」

ガシッ！
腕を力強く握られた。

目の前には…
サラサラと揺れる黒髪と…
眼鏡越しの切れ長の瞳が降ってきた。

「ハナブサ…さんだ…」

「はい…ハナブサです…」

えっと…バキュームを調子に乗って繰り返して…。

状況を把握しようと、朦朧とする頭で考えていると…

「軽い貧血です…口の中を振動させるのに意識がいって、酸欠状態になったようです」

ハナブサは、酸欠で冷たくなった指先を揉んで温めてくれながら、淡々と説明をしていた。