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悪癖とトラウマ
第8章 一難去ってまた一難
ああ、やっぱり僕も捨てたもんじゃないね?

「なっ‼︎べべべっべべべべべ別にそんなのっいなっい!から!恋人なんて!」

全力で頭を振り、否定の言葉を吐いているものの、挙動が明らかにおかしい。
ビンゴだ

「大体なんなんだよ最初にそれ聞いたの俺だぞ!」
「うん。だから?」
「だからっ…」

モゴモゴと口を動かすが、上手く表現できないらしくしだいに黙る。

「…なんでわかった」
「答えは簡単。お前が訊いて来たから。」
「はぁあ?」

どっかの本で見たことがある。

恋をしているやつは他人の恋のオーラ(?)に敏感だと。


「それってどういう…」
「馬鹿にはわからないよ」
「馬鹿っていうな馬鹿って!」
『えー、間も無くー、鶸野ー鶸野でございまーす。乗り換えの方はー…』

喋っていたら結構時間が経っていた。

「ほら、早く出ないと」
「あっちょっと待てよおいっ」

ドアに向かって歩く。
丁度ドアが開く。

ほら、お前も出るんだろう?

「ほら、暫く付き合ってやる。」
「えっ」
「さっさと行くよ」
「あっ…」


ちょっと色々聞きたいから。
僕に色々教えてよ。
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