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クラゲ色の夏
第1章 クラゲ色の夏
夕方五時くらいにはお開きになって、みんな着替えてから帰路についた。持ってきていたタオルで拭いて、水着の上から洋服を着るだけだけど。
海沿いを、歩いて帰る。先生の家が実は一番近いけど、そこは引率者としてみんなを送ってから最後に帰るらしい。引率と言っても、別に学校行事ではないから、それは先生の好意だ。
時間が経ってから、実感が湧いてきた。わたし、遠藤くんに触れてしまった。お父さん以外の異性に触るの、ここに来て初めてだったかもしれない。
引き締まった褐色の体は綺麗で、思い出すとドキドキした。
「あの、ことみさん」
「あ……」
半袖のシャツを来た遠藤くんが、いつの間にか隣にいた。
ドキドキして余計言葉が出ない。
「昼間は本当にごめん」
「……大丈夫。あの、ありがとう。助けてくれて」
「必要なかったみたいだけどね。浮き輪で何してたの?」
「あの……ぼーっと」
「どういうこと? 海でぼーっとは危ないよ?」
「クラゲに」
「クラゲいた⁉︎ 刺されてない⁉︎」
「…………」
最後まで話す前に遮られてしまう。
わたしは会話のペースになかなかついていけず、黙ってしまった。
「ご、ごめん! 俺、早口で! つい人の言葉遮っちゃう……」
しゅんとしてしまう遠藤くん。
わたしと逆で、つい笑ってしまった。
「大丈夫。わたしが話すの遅いだけだから」
「俺、黙ってるから!」
口にチャックする動き。
わたしはまた笑った。

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