この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その足に頬を寄せたい
第1章 その足に頬を寄せたい
枝豆、焼き鳥、焼きうどん、きゅうり、刺身の盛り合わせ、などなど。おのおので好きな酒や料理を注文し、九時近くになる頃には、すっかり酔いがまわっていた。僕は二人の話を聞きながらの相槌が多かったが、それでも緊張はだいぶほぐれ、笑って話せるようになった。
高校時代の共通の話題から、自分たちの近況の話へと移っていく。
僕や達紀の仕事の話にもなったが、朋子自身の話はやんわりと避けているように感じた。それでも、一度東京に出たけど、最近実家に戻ってきた、というのはわかった。
僕はもともとあまり質問を振れなかった。聞かれて答えるくらいしか。達紀もそこまで深くは尋ねなかった。あまり話したくない、というのをなんとなく察していたからだろう。
「ごめん、ちょっと失礼」
朋子は立ち上がり、お手洗いの方に歩いていく。金曜日ということもあり、居酒屋は満席だった。
「個室があるとこの方が良かったかな」
「その方が落ち着いて話せたかな……」
「座敷とか」
「座敷?」
「あのブーツ、脱いでくれたかも」
「…………ぶっ」
僕は口に入れた枝豆を噴きそうになった。
顔を上げると達紀はイタズラっぽく笑っている。すぐに冗談だと気がついた。
「二件目はバーにするか」
半分独りごちるように呟き、ハイボールを煽った。
僕はつい、彼女の足を想像してしまう。脱いだ姿より、今の履いたままの姿の方が魅力的だと思った。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


