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その足に頬を寄せたい
第1章 その足に頬を寄せたい
僕が高校三年の時だ。ちょうど受験真っ只中で、自分も周りも心がそわそわせわしない時期だった。ある日三つ歳上の姉が、ブーツを買ってきたのだ。光沢がある黒いエナメル素材のもので、膝上まであるロングタイプだった。学校から帰るとそれが突然玄関に置いてあった。
僕はそのテラテラした見た目になぜかとても惹きつけられて、こっそりと触った。ツルツルして見えるのに、実際触れてみると全然滑らず、洗いたての皿のようにキュって音がした。なぜかとても興奮した。
同じクラスだった朋子の長い足が浮かんだ。
彼女がこのブーツを履いたら、きっとよく似合う。想像の中で彼女にすぐさまブーツを履かせ、僕はその足に頬を擦り寄せた。妄想は勝手に生まれ、加速する。黒いエナメルブーツを履いた朋子に、踏まれたり、撫でられたり、挟まれたりしたい、そう思ってしまった。
ほとんど無意識だった。触ってもいないのに、すぐに股間が熱を帯び始める。
慌てて自分の部屋に駆け込み、そこに触れた。背筋に電流が走ったような強烈な刺激に、熱い吐息が漏れる。
今までしたどんな自慰よりも気持ちがよくて、すぐに果ててしまった。
生々しい匂いを、今も覚えている。
僕はティッシュに吐き出した欲望を処理しながら、好きな子をオカズにしてしまった罪悪感と、その時初めて知った自分のフェチ、性癖に戸惑うばかりだった。
結局告白できないまま、高校を卒業した。朋子には、当時歳上の彼氏がいる、なんて噂も聞いたような気がするが、真相はわからない。
たとえいなかったとしても、僕が彼女と付き合うことはなかっただろう。女子と話すのはもともと苦手だった。

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