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月曜日の処方箋
第5章 約束の1週間後
しばらくの間、天井を見つめながら荒い息を整えていくうちに、頭のなかの熱がゆっくりと引いていき、ようやく冷や汗に濡れた現実へと引き戻されていった。
「……はぁ、ふぅ……っ……」
これほどまでに恥ずかしさと疲労に満ちた時間はなかった。
それでも、あの激しい動悸や涙が少しずつ落ち着いてくると、陽菜は身体を起こし、震える足でどうにか服を整えて診察室の椅子へと戻った。
待っていた加藤は、優しい微笑みを浮かべながらカルテを閉じて陽菜を迎えてくれた。
「お疲れ様、河崎さん。気分は落ち着いたかな?」
「あ……あの、先生……」
顔を真っ赤に染め、恥ずかしさで俯いたまま、陽菜は消え入りそうな声で切り出した。
「さっき、その……声が大きくて、待合室の方まで聞こえちゃってたらどうしようって……ご、迷惑おかけして、すみませんでした……っ!」
両手で顔を覆い隠したいほどの羞恥に耐えかねて謝罪すると、加藤はクスッと優しく笑い、気にする様子もなく首を横に振った。
「ふふ、大丈夫だよ。あんなに痛い治療を頑張っていたんだから、声が出てしまうのは仕方ないことだからね。恥ずかしがらなくていいんだよ」
その温かい言葉に、陽菜の胸を締め付けていた申し訳なさや緊張が、ふっと和らいだ。
「それにね、さっき診たところ、前回の治療の効果がちゃんと出ていて、炎症の範囲も確実に小さくなっているんだ。この調子でいけば、次の状態次第では、もうあの痛い注射はしなくてもよくなるかもしれないね」
「ほんとですか……? ?」
ぱっと顔を上げた陽菜の問いに、加藤はうなずきながら優しく微笑んだ。
「うん、順調に良くなればね。だから、あと一息一緒にがんばろうか。それじゃあ、今日もよく頑張ったから、また一週間後に様子を見せてね」
「はい……ありがとうございました……」
医師の心強い言葉に少しだけ安心感を覚え、今度こそ静かに病院をあとにして家路へと就いた。

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