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父に刻印された身体
第2章 交錯するまなざしと隠された欲動
父にとって私は、いつまでも保護すべき純粋な存在であり続けるつもりなのだろうか。
触れようと手を伸ばせば、すぐ指先が届く至近距離にいるのに、そこには決して破れない透明な膜が横たわっている。触れ合いたいのに触れられないその距離感が、私の皮膚をじりじりと焦がし、もどかしさを募らせていく。
それでも、離れることなんてできなかった。
父の傍らにいられるのが「娘」という免罪符のおかげなら、その役割を完璧に演じるしかない。けれど——私の本当の望みは、父の娘として愛されることではなく、ひとりの女としてその腕の中に閉じ込められ、愛撫されることなのだ。
その想いは言葉にした瞬間に崩壊を招く、猛毒の果実。
けれどどれほど押し殺そうとしても、一度目覚めてしまった女としての熱は、私の体内で静かに、けれど確実に暴れ続けていたのだった。
このまま「良い娘」を演じ続けていては、何も変わらない。
頭のどこかでは冷ややかに理解していた。父が私を愛しい娘としてしか見ていない限り、いくら夜ごとに想いを焦がそうと、この絶望的な距離が縮まることなどあり得ないのだと。
けれど、指をくわえて諦めることなんてできなかった。
どこかで「奇跡が起きて気づいてくれないか」と夢見ているだけでは、永遠に私は子ども部屋に取り残されたままだ。だから私は、自らその安全な殻を破り捨てる覚悟を決めた。ためらいを捨て、少しだけ爪を立てるように大胆に。境界線をほんの数ミリ踏み越えるだけで、父の瞳の中に宿る「私」の形が変わるかもしれない——そんな毒を秘めた蜜のような期待に、すがるしかなかったのだ。
触れようと手を伸ばせば、すぐ指先が届く至近距離にいるのに、そこには決して破れない透明な膜が横たわっている。触れ合いたいのに触れられないその距離感が、私の皮膚をじりじりと焦がし、もどかしさを募らせていく。
それでも、離れることなんてできなかった。
父の傍らにいられるのが「娘」という免罪符のおかげなら、その役割を完璧に演じるしかない。けれど——私の本当の望みは、父の娘として愛されることではなく、ひとりの女としてその腕の中に閉じ込められ、愛撫されることなのだ。
その想いは言葉にした瞬間に崩壊を招く、猛毒の果実。
けれどどれほど押し殺そうとしても、一度目覚めてしまった女としての熱は、私の体内で静かに、けれど確実に暴れ続けていたのだった。
このまま「良い娘」を演じ続けていては、何も変わらない。
頭のどこかでは冷ややかに理解していた。父が私を愛しい娘としてしか見ていない限り、いくら夜ごとに想いを焦がそうと、この絶望的な距離が縮まることなどあり得ないのだと。
けれど、指をくわえて諦めることなんてできなかった。
どこかで「奇跡が起きて気づいてくれないか」と夢見ているだけでは、永遠に私は子ども部屋に取り残されたままだ。だから私は、自らその安全な殻を破り捨てる覚悟を決めた。ためらいを捨て、少しだけ爪を立てるように大胆に。境界線をほんの数ミリ踏み越えるだけで、父の瞳の中に宿る「私」の形が変わるかもしれない——そんな毒を秘めた蜜のような期待に、すがるしかなかったのだ。

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