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第1章 プロポーズ

「電話・・・出なかったから、来ちゃった・・・」


「うん・・・上がって」


とりあえず蓮を部屋に招くが心臓のバクバクは静まるどころか


蓮に聞こえちゃうんじゃないかと思うくらい鼓動が早くなっていた。


「あ・・・コーヒーでも飲む？」


「あ・・・うん」


私たちの間には気まずい雰囲気が漂い空気も重い。


キッチンでお湯を沸かしコーヒーの準備をする。


「はぁ・・・決めなきゃなぁ・・・」


コーヒーを飲んでる間も二人の間には沈黙・・・。


この沈黙なんとかしなきゃ、気まずくて息苦しい・・・


「あの・・私なりに考えてみたの・・・」


「うん」


「えっと・・・やっぱり理由は教えてくれないのかな？」


「今は・・・言えない・・・」


やっぱりかぁ・・・困ったな・・・


「俺、七海じゃないと嫌なんだ・・・」


「へっ？？何？どういう事？」


突然の言葉に戸惑ってしまう。


疑似結婚だよね？少しの間だけなのに、そんな言い方されたら。


「他に、偽夫婦出来そうな女友達、居ないし・・・」


「あぁ・・・そういう事ね・・・ビックリした・・・」


「んで？返事聞かせてくれるかな？」


「うん・・・とりあえず偽の奥さんやってみようかなって思ってます」


蓮も何か困ってるみたいだし、いっぱい助けてもらってるし！


やってみても良いかなって思った。


私の返事を聞くと蓮の顔が一気に明るくなった。


「ありがとう！まじで！良かった！」


「条件がある！言える時が来たら・・・ちゃんと理由教えてよ！」


「うん・・・」

少し、曇った表情をしたが・・・またいつもの笑顔に戻った。