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第11章 偽善・・・

「ごめん・・七海に辛い思いさせてたんだな・・・俺・・・」


蓮はすごく辛そうな顔をしていた。


私も必死に涙を堪える。


蓮のせいじゃない！蓮だけのせいじゃない・・・。


「ねぇ・・・この生活の理由って何？」


私は今まで疑問に思っていた事を思い切って聞いてみたが・・・



「ごめん・・・今はまだ言えないんだ・・・」


「どうして？」


「その理由は、この生活が終わる時に言うから・・・ちゃんと言うから」


今は言えないと言われてしまい・・・理由を聞くことは出来なかった。


「七海・・・辛い？この生活・・・」


「辛くは無いけど・・・時々苦しくなる」


「分かった・・・少しの間別々に暮らそう」


それは思っても居ない言葉だった。


別々に生活をする。私が少しの間実家に泊まっていた時とは状況が違う。


「仕事も・・・少しの間休んで良いから・・ゆっくり考えて」


「別々って・・・」


「俺。少しの間、店に寝泊まりするよ」


「でも・・・」


「少し、お互い考えよう」


蓮は自分の部屋に入ってしまった。


リビングに一人ぼっちになった私は、ただ何も考えられずそこに座ってる事しか

出来なかった。