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Try Marriage
第15章 2人の母親
「戸籍だけですって?私が今までどれだけあなたに気を使ってきたか分かる?」
「俺はあなたに、何もしてもらった記憶は無いよ
お袋って呼んでやってるだけありがたいと思えよ・・・」
蓮から出る言葉は今までの蓮からは何も想像がつかない程、冷たくて怖かった。
これは夢??
いや・・・現実だ・・。
「とりあえず・・今日は帰ってくれよ、仕事行く準備するから」
「ダメよ!まだ話は終わって無い!」
「何を話すって言うんだよ!!俺は仕事も辞める気ないし、家にも帰る気ない!
この生活をやめる気も無いよ!!話は終わりだ!出てけ!」
「許さないわよ!」
二人の口論の間で私はひたすら黙り込むことしか出来なかった。
「許してくれなんて言わねーよ!良いから帰れよ!」
「話にならないわ・・・」
そう言うとお母さんは荷物を持ち立ちあがった。
良かった・・・とりあえず帰るんだね。
この地獄の時間はとりあえず終わるんだ。
「頭冷やしなさい!分かったわね!」
そして・・・玄関のドアを思い切り閉めてお母さんは帰って行った。