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第16章 麗ちゃんの秘密

私達は結局夕飯をご馳走になって帰る事にした。


夕飯を食べ終えるとお母さんが私たちを客間に呼んだ。


そこには、お母さんと蓮、私の三人だけ。


「お母さん、話しって何？」


「うん・・蓮君のお母さんの麗の事よ・・」


麗ちゃんの名前が出た瞬間、私の心臓は鼓動が早くなった。


きっと蓮も同じ気持ちなんだと思う。


「蓮君が聞きたくないって言うなら、話さないけどどうする？」


蓮は、迷うことなく


「聞かせてください」


っとお母さんに気持ちを伝えた。


「実はね、麗と私はずっと連絡はとりあってたの・・それで蓮君の事を色々伝えてたのよ
　離婚した時、麗はあなたに会わないっていう条件だったからね・・
　毎回、会いたくて何回も学校や家の近くまで行ってたみたいだけど、
　会ったら離れたくなくなって、蓮君に迷惑がかかるからって会わなかったみたいなの」


そうだったんだ・・。蓮を想って会わなかったって事かな？


「後妻に入った人を母親だと思って仲良くやってくれてればそれで良いって
　思ってたんだって、でも、最近うまく行って無いって事を知ったみたいなの
　まぁ、蓮君も七海ももういい年だから、親とうまく行くとかじゃないんだろうけど
　麗は、お母さんよりお父さんとの関係を心配してるのよ・・」


父親との関係か・・。そういえば蓮からあんまりお父さんの話って昔から聞かなかったかも


「あの・・聞いても良いですか？」


今まで黙って話を聞いていた蓮が口を開いた。


「何？」


「母さんは、親父の不倫の事は知ってたんですか？」


「ええ・・知ってたわ、結構前からね・・。それで耐えられなくなって
　麗は、心が疲れちゃったのね・・・病院に通うようになった・・」


病院？蓮も知らなかったみたいだ。


「夜も眠れない日が続いてたみたい・・。
　でも、あなたのお父さんは病院に行ってるんじゃなくて浮気をしてるって勘違い
　したみたい・・。でも、麗は自分が病院に行ってる事は最後まで言わなかった。
　あの人が幸せになれるんだったら私が身を引くって言って離婚したのよ・・」


蓮は、複雑そうな・・どことなく怒りもまざった様な表情をしていた。