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第16章 麗ちゃんの秘密

蓮はお母さんの顔をまっすぐ見て話しを黙って聞いていた。


「麗は、あなたが小さい頃からやりたい事をやってほしいって言ってた・・
　料理人になったって言ったらそれがやりたいことなら、私は嬉しいって言ってたわよ
　親に縛られた生活をするよりも、自分の好きなように生活してほしいって・・・」


蓮の頬に一筋の涙が流れ・・・それからしばらく蓮は顔を上には上げなかった。


「蓮君・・・麗は幸せだから大丈夫よ・・・」


そういうとお母さんは蓮の肩に手を置いた。


「幸せ？？」


「そう・・・再婚するのよ・・今度ね。私もちゃんと会ってないから分からないけど　
　凄く良い人みたい」


それで、麗ちゃんこの前店に来たのかな・・。


「あの・・・瑠璃は元気なんですか？」


瑠璃というのは蓮の妹・・。凄く可愛くて、私も自分の妹の様に接していた存在だった。


「ええ・・元気にしてるみたい、今は神奈川に居るみたいだけどね」



瑠璃ちゃんが元気にしてると知ってか少し蓮の表情が和らいだきがした。


そして・・・。


「あの・・俺ももう子供じゃありません・・なので母親の居場所を教えて
　いただけませんか？」


「・・・・・・」


お母さんは悩んだ顔をしていた。


「お母さん、私からもお願い・・蓮苦しんでるの・・・麗ちゃんに会わせてあげて
　蓮のお父さんと麗ちゃんがどんな約束したかは知らないけど
　会う権利はあるでしょ？ねっ？お母さん・・・」



「七海・・・ん・・・居場所は伝えないって約束だったんだけど・・」


お母さんは少し悩んで・・。


「分かったわ・・」


っと返事をしてくれた。