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第7章 『俺』の彼女
取りつく島もない…

そんな琉の態度は、まだ告げていない芙由の ”想い” をも拒絶の姿勢を貫いているようで、

「ひどい…それならお財布 返さなきゃ良かった……」

ボソ…と、負け惜しみのような言葉を呟いてしまっていた。


「ふーん…そういう変な借り売られんの嫌だから、ハイ」

低い声のトーンはそのままに…

冷たい視線で芙由を見ながら、琉は返してもらったばかりの自身のお財布を芙由に差し出した。


「え?」

意味もわからずに、それを受け取る芙由。


「やる」

「え? え⁉︎ 」

「返さなくていいから」

「え⁈ 」


ズシッとした重みに驚き財布を開れば、拾った時のままの中身が入っていて、芙由は困惑した瞳を琉へと向けた。


「佐藤さん。愛里咲と双子居るんで、俺、先戻ります」

食べ終えた弁当箱を片付けながら、琉は佐藤に声を掛けて立ち上がる。


「え? 琉⁉︎ 財布どうすんの⁈ 」

全てのやり取りを黙って見ていた佐藤が聞けば、

「新しく買う」

振り返りもせずに答える琉。

残された佐藤と芙由は、困ったような視線を合わせて固まっていた。


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