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コンプレックス
第1章 弟が父親になった

そんな母親を呆れたように見た翔は、
ドキッ……
母親の隣で、嬉しそうに笑う愛里咲の姿に目を奪われていた。
(うちの親と自分の親を重ねてるのかな)
愛里咲の目尻に光る涙を見つけ、翔はそこから目が離せなかった。
(……自分の親にもこうやって見せたかったんだろうな)
愛里咲の気持ちを思う程に、翔の鼓動が速まっていく。
「あり…」
「惑わされんなよ」
思わず愛里咲へ声を掛けようとした翔を、スッと隣に立った琉が小声で遮った。
「愛里咲は俺のだから」
口元は笑っているけれど、目は笑っていない。
そんな琉の気迫に押され、
「は⁈ そんなの分かってるし!」
翔は上擦った声でそう答える。
それでもまだ騒ぐ胸を誤魔化すかのように、翔は愛里咲と琉に背を向けて双子をじっと見つめていた。
ドキッ……
母親の隣で、嬉しそうに笑う愛里咲の姿に目を奪われていた。
(うちの親と自分の親を重ねてるのかな)
愛里咲の目尻に光る涙を見つけ、翔はそこから目が離せなかった。
(……自分の親にもこうやって見せたかったんだろうな)
愛里咲の気持ちを思う程に、翔の鼓動が速まっていく。
「あり…」
「惑わされんなよ」
思わず愛里咲へ声を掛けようとした翔を、スッと隣に立った琉が小声で遮った。
「愛里咲は俺のだから」
口元は笑っているけれど、目は笑っていない。
そんな琉の気迫に押され、
「は⁈ そんなの分かってるし!」
翔は上擦った声でそう答える。
それでもまだ騒ぐ胸を誤魔化すかのように、翔は愛里咲と琉に背を向けて双子をじっと見つめていた。

