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コンプレックス
第9章 弟の元カノ

『愛里咲ちゃん、いつもお疲れ様!困った時はいつでも頼ってね』
愛里咲の携帯に届く、琉の母親からの優しいメール。
少しだけ安心して口元を緩める愛里咲に、面白そうに琉の口端が持ち上がった。
「よだれ垂らして爆睡してたから起こすの可哀想だって、母親が…」
「嘘っ⁉︎ 」
バッ…と口元を拭く愛里咲に、
ククッ…と琉が堪えたような笑い声を漏らす。
「〜〜〜〜〜もぅっ!」
騙されたぁっと顔を赤くしながら琉を振り返れば、
「─────…っ」
スッ…と瞳を細め、呆れたような視線を向ける……………陽花。
「み、ミニ琉っ‼︎ 」
そっくりな顔立ちに、そっくりな仕草。
愛里咲の口から思わず漏れたその言葉に、
「は?」
怪訝そうに瞳を細める琉。
「……陽花に遺伝しちゃったのかぁ」
ボソッと呟きながら、後部座席のチャイルドシートで眠る陽向を見れば、
目尻から幾筋もある涙の跡を見つける。
(陽向は間違いなく、私の遺伝……)
愛里咲は小さく溜息を吐き出した。
愛里咲の携帯に届く、琉の母親からの優しいメール。
少しだけ安心して口元を緩める愛里咲に、面白そうに琉の口端が持ち上がった。
「よだれ垂らして爆睡してたから起こすの可哀想だって、母親が…」
「嘘っ⁉︎ 」
バッ…と口元を拭く愛里咲に、
ククッ…と琉が堪えたような笑い声を漏らす。
「〜〜〜〜〜もぅっ!」
騙されたぁっと顔を赤くしながら琉を振り返れば、
「─────…っ」
スッ…と瞳を細め、呆れたような視線を向ける……………陽花。
「み、ミニ琉っ‼︎ 」
そっくりな顔立ちに、そっくりな仕草。
愛里咲の口から思わず漏れたその言葉に、
「は?」
怪訝そうに瞳を細める琉。
「……陽花に遺伝しちゃったのかぁ」
ボソッと呟きながら、後部座席のチャイルドシートで眠る陽向を見れば、
目尻から幾筋もある涙の跡を見つける。
(陽向は間違いなく、私の遺伝……)
愛里咲は小さく溜息を吐き出した。

