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コンプレックス
第9章 弟の元カノ

「芙由ちゃんの寂しさ、少しは分かるよ。
でも……でもダメなの。
琉ちゃんは、私にとっても、子供たちにとっても、家族なの。とても大事な人なの。
お願い……奪わないで?」
愛里咲の言葉に、
悔し涙を浮かべながら2人を見ていた芙由も、
悪戯に愛里咲の首筋を辿っていた琉も、
その動きを止め、愛里咲を見つめた。
「愛里咲…」
ギュ…
愛里咲の首筋に顔を埋め、琉は愛しいその身体を後ろから抱き締めた。
一瞬覗いた琉の顔は、口元を綻ばせどこか泣きそうで…
その幸せそうな表情に、芙由は敗北感にも似た苦しい感情に潰されそうで顔を歪めて財布を握り締めた。
「お金はお返します。あたしの趣味だけど、お財布買ってきたので使って下さい」
諦めるなんて出来ない。
でも、今の琉の心の中は愛里咲でいっぱいなのは、恋愛初心者の芙由にもわかる。
愛里咲を抱き締めたまま、受け取らない琉に痺れを切らし、芙由は靴箱の上にお金と紙袋の中に丁寧にラッピングされたお財布を置いた。
でも……でもダメなの。
琉ちゃんは、私にとっても、子供たちにとっても、家族なの。とても大事な人なの。
お願い……奪わないで?」
愛里咲の言葉に、
悔し涙を浮かべながら2人を見ていた芙由も、
悪戯に愛里咲の首筋を辿っていた琉も、
その動きを止め、愛里咲を見つめた。
「愛里咲…」
ギュ…
愛里咲の首筋に顔を埋め、琉は愛しいその身体を後ろから抱き締めた。
一瞬覗いた琉の顔は、口元を綻ばせどこか泣きそうで…
その幸せそうな表情に、芙由は敗北感にも似た苦しい感情に潰されそうで顔を歪めて財布を握り締めた。
「お金はお返します。あたしの趣味だけど、お財布買ってきたので使って下さい」
諦めるなんて出来ない。
でも、今の琉の心の中は愛里咲でいっぱいなのは、恋愛初心者の芙由にもわかる。
愛里咲を抱き締めたまま、受け取らない琉に痺れを切らし、芙由は靴箱の上にお金と紙袋の中に丁寧にラッピングされたお財布を置いた。

