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第10章 俺の弟は…
夢中になって熱くなっていく口内を堪能すれば、自然とその膨らみへと手が伸びていく。

ギュッと軽く握った膨らみは、小ぶりだけど柔らかくて…

翔の手は、今の状況も場所も忘れて暴走していった。


「んんっ⁉︎ ちょっ、翔さん⁉︎ ここ、私の家の前‼︎ 」

バシッと鋭い音を立て、背中に痛みが走る。


目の前には、たった今 翔の背中に振り下ろされたであろうバッグを強く握り、はぁはぁと息を乱す渚の困ったような…怒ったような顔。


「ご、ごめん!渚が可愛い事するから!」

慌てて頭を下げる翔に、上がっていた渚の眉がへにゃっと下がる。


「また今度…ね?」

翔にとって世界一とも言える可愛い笑顔を向けられれば、

「っ‼︎ はいっ‼︎ 」

シャキッと姿勢を正し、子供のように元気に返事してしまう。


「ふふっ」

そんな翔を愛おしそうにクスクス笑って見る渚に、翔もまた眉を下げ嬉しそうな笑顔を見せる。


渚の大声に気付き、二階の窓から外を覗いた渚の母親。

さすがの母親でも声を掛けられない程、見つめ合いヘラヘラと笑い合う2人。

そのまま2人は、いつまでも笑顔で見つめ合っていた。



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