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コンプレックス
第11章 俺の決意

「琉は甘え上手な振りして本心を見せないのよね。親を頼れない。上手く立ち回って1人で解決しちゃう子だけど、今回は1人では抱え切れないでいるみたい」
単純な翔と違って、聞き出すのが難しいのよね〜と余計な一言を付け加え、母親は大きくため息を吐き出した。
「母さんが喋り過ぎて話せなかっただけじゃねぇの?」
仕返しとばかりにそう言えば、母親はキッと翔を睨む。
そして、
琉に似た涼やかな目元をフッと緩め、口端をグッと持ち上げた。
「─────…っ」
琉を思わせるその悪魔の微笑みに、翔は息を飲み硬直する。
そんな翔に向け、母親はゆっくりと口を開いた。
「翔の1人暮らしを許す条件があるの」
この流れから想像出来る言葉は、弟が絶対に嫌がる事だ。
「か、母さん…俺…っ」
「琉のマンションなら1人暮らしを許してあげる。それ以外はダメ!私たちの老後の為にも実家(ここ)から出さない」
ひぃっ…と翔の口から悲鳴にも似た声が漏れる。
「琉の部屋になるべく近い部屋を手配するから。いいわね?」
疑問形だが、もちろんこれは決定事項だ。
「愛里咲ちゃんの浮気って可能性もあるわ。琉と愛里咲ちゃんの様子を監視して小まめに報告する事!」
はぁーっと大袈裟にため息を吐き出す翔。
「愛里咲ちゃんの浮気はない!琉も、浮気はしないと思う。これは言い切れる」
翔の反論に一瞬 目を瞠った母親は、表情を緩める。
「そうね、疑って悪かったわ。でも心配だから。私やお父さんじゃダメなのよ。
琉が頼るとしたら……翔、あんただから」
「……どうかな。琉に兄だと思われてる気がしないけど」
「まぁ確かに分かりにくいけど……ちゃんと兄だと思ってるわよ、琉は。だからお願い。琉の事、助けてあげてね……”お兄ちゃん” 」
単純な翔と違って、聞き出すのが難しいのよね〜と余計な一言を付け加え、母親は大きくため息を吐き出した。
「母さんが喋り過ぎて話せなかっただけじゃねぇの?」
仕返しとばかりにそう言えば、母親はキッと翔を睨む。
そして、
琉に似た涼やかな目元をフッと緩め、口端をグッと持ち上げた。
「─────…っ」
琉を思わせるその悪魔の微笑みに、翔は息を飲み硬直する。
そんな翔に向け、母親はゆっくりと口を開いた。
「翔の1人暮らしを許す条件があるの」
この流れから想像出来る言葉は、弟が絶対に嫌がる事だ。
「か、母さん…俺…っ」
「琉のマンションなら1人暮らしを許してあげる。それ以外はダメ!私たちの老後の為にも実家(ここ)から出さない」
ひぃっ…と翔の口から悲鳴にも似た声が漏れる。
「琉の部屋になるべく近い部屋を手配するから。いいわね?」
疑問形だが、もちろんこれは決定事項だ。
「愛里咲ちゃんの浮気って可能性もあるわ。琉と愛里咲ちゃんの様子を監視して小まめに報告する事!」
はぁーっと大袈裟にため息を吐き出す翔。
「愛里咲ちゃんの浮気はない!琉も、浮気はしないと思う。これは言い切れる」
翔の反論に一瞬 目を瞠った母親は、表情を緩める。
「そうね、疑って悪かったわ。でも心配だから。私やお父さんじゃダメなのよ。
琉が頼るとしたら……翔、あんただから」
「……どうかな。琉に兄だと思われてる気がしないけど」
「まぁ確かに分かりにくいけど……ちゃんと兄だと思ってるわよ、琉は。だからお願い。琉の事、助けてあげてね……”お兄ちゃん” 」

