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第12章 俺の弟の胸の内
「あーっ、可愛い!これ3人でお揃いにしない⁈ 」

平日の昼間、それ程人の多さを感じない子供服店に、愛里咲と芽衣とそれぞれの子供たちの姿があった。


「芽衣さん…ボーナス出たからって買い込み過ぎじゃないですか?」

ベビーカーの荷物置きからはみ出す買い物袋に、愛里咲は苦笑いを零す。

「ここのブランドって可愛い服ばかりじゃない?セール中だと買う手が止まらなくなる!」

次は絶対女の子が欲しいと豪語する芽衣が買い物カゴへと入れる服は、赤や黄色…そしてユニセックスなデザインのものばかりだ。


「愛里咲は買わないの?せっかく安いのに!」

芽衣に比べれば少ないものの、愛里咲も双子それぞれに2着買っている。

芽衣の言葉に苦笑いを返したところで、ベビーカーの中の陽向が泣き出した。



近くにあったカフェに入り、愛里咲は陽向の口に哺乳瓶を差し向ける。

双子が1歳を迎えれば育休が明け、愛里咲は仕事復帰することとなる。

保育園での授乳に慣らす為、出掛けた先ではなるべく哺乳瓶で飲ませるようにしていた。


「愛里咲が復帰したら、私は暇になっちゃうなぁ〜」

同時に授乳した方が楽だろうと、芽衣は陽花に哺乳瓶を差し向けている。

有難い事に二人共哺乳瓶に抵抗なく飲んでくれる。


そんな陽花を、芽衣の子供である陽音がベビーカーから恨めしそうに眺めていて、愛里咲と芽衣は顔を見合わせて笑い合った。


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