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コンプレックス
第2章 弟の嫁さん

会話が途切れ翔の視線が外された隙に、愛里咲はチラリと時計を確認する。
愛里咲が産休に入り臨月に入った頃から、琉は帰宅前にメールをくれるようになった。
とはいえ、その文章は毎回『今から帰る』という5文字。
その5文字が送られて来たのはかなり前だから、そろそろ琉が帰宅する頃だ。
「同居大変じゃない?」
「え?」
物思いに耽っていれば、突然翔から声を掛けられて愛里咲は驚いて顔を上げた。
「飯作る人数増えてるじゃん?」
今までは琉と2人の食事を作れば良かった。
ここでは5人分。
だが、元々多めに作っては作り置きをしておく愛里咲には、特に苦痛もなかった。
むしろ、高校時代に親を亡くして以来1人きりだった食事が、琉と2人で食べるようになり、今は5人で食卓を囲む…
賑やかな食卓に憧れていた愛里咲は、むしろ同居を楽しんでいた。
「全然大変じゃないですよ。お義母さんが洗濯も掃除も全部やっておいて下さるので朝はゆっくり寝かせてもらえるし、私がやってるのは夕飯作るくらいですもん」
新生児2人の世話に追われる愛里咲には、その気遣いはとても心地良かった。
愛里咲が産休に入り臨月に入った頃から、琉は帰宅前にメールをくれるようになった。
とはいえ、その文章は毎回『今から帰る』という5文字。
その5文字が送られて来たのはかなり前だから、そろそろ琉が帰宅する頃だ。
「同居大変じゃない?」
「え?」
物思いに耽っていれば、突然翔から声を掛けられて愛里咲は驚いて顔を上げた。
「飯作る人数増えてるじゃん?」
今までは琉と2人の食事を作れば良かった。
ここでは5人分。
だが、元々多めに作っては作り置きをしておく愛里咲には、特に苦痛もなかった。
むしろ、高校時代に親を亡くして以来1人きりだった食事が、琉と2人で食べるようになり、今は5人で食卓を囲む…
賑やかな食卓に憧れていた愛里咲は、むしろ同居を楽しんでいた。
「全然大変じゃないですよ。お義母さんが洗濯も掃除も全部やっておいて下さるので朝はゆっくり寝かせてもらえるし、私がやってるのは夕飯作るくらいですもん」
新生児2人の世話に追われる愛里咲には、その気遣いはとても心地良かった。

