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第12章 俺の弟の胸の内
「しょ…翔……噛んで……」

思い切って口にすれば、翔の瞳が鋭く揺れる。

「……どこを?」

聞きながら、翔の舌はその場所を這い始める。


「ンッ…そこ……」

「どこ?」

「ち、ち…くび……」

言った後、羞恥に顔が熱くなる。

それなのに、

「父?渚のお父さんの首を噛むの?ちょっと遠慮する」

クスクス笑う翔は、この前とは別人みたいだ。


「もーっ、翔の意地悪!頑張って言ったんだからご褒美頂戴!」

子供みたいにそう叫べば、

「─────っ…‼︎ 」

身体を駆け抜ける、甘い甘い痛み……


「あ、あ……ああっ」

それだけで、渚の身体は快感に震えた。



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