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第13章 俺の周りの企み

「琉…っ……琉‼︎ 」
声の限り叫んでも、
振り向くこともなく、小さくなっていく背中。
「琉……」
開くことのないガラスのドアに縋るように、芙美はズルズルと座り込んだ。
「私じゃなくて、愛里咲を取るの?
1度ならず2度までも?
ねぇ…琉……?」
震える唇から零れた言葉に、もちろん答えは返らない。
”もう付き纏うのやめてくんない?”
高校時代、琉から告げられた別れの言葉。
餌を取り合う鯉のように、琉の周りには女が取り巻いていた。
学校内では同級生だけじゃなく先輩もいた。
学校を出れば大人の女性までもが寄ってくる。
それを蹴散らすのは芙美でも大変なことで、気を抜けばイジメ紛いの嫌がらせに負けそうになる。
それでも、絶対に手放したくないと…高校生だった芙美は必死に戦っていた。
なのに─────…
「信じらんない!
付き纏うって何⁉︎ 付き合ってるんだから当然でしょ⁉︎
だいたい私が琉を探し回らなきゃ、全然一緒に居てくれないじゃない‼︎ 」
その時も、女たちの喧騒から逃れ1人屋上に居た琉を探し回り、ようやく見つけたところだった。
声の限り叫んでも、
振り向くこともなく、小さくなっていく背中。
「琉……」
開くことのないガラスのドアに縋るように、芙美はズルズルと座り込んだ。
「私じゃなくて、愛里咲を取るの?
1度ならず2度までも?
ねぇ…琉……?」
震える唇から零れた言葉に、もちろん答えは返らない。
”もう付き纏うのやめてくんない?”
高校時代、琉から告げられた別れの言葉。
餌を取り合う鯉のように、琉の周りには女が取り巻いていた。
学校内では同級生だけじゃなく先輩もいた。
学校を出れば大人の女性までもが寄ってくる。
それを蹴散らすのは芙美でも大変なことで、気を抜けばイジメ紛いの嫌がらせに負けそうになる。
それでも、絶対に手放したくないと…高校生だった芙美は必死に戦っていた。
なのに─────…
「信じらんない!
付き纏うって何⁉︎ 付き合ってるんだから当然でしょ⁉︎
だいたい私が琉を探し回らなきゃ、全然一緒に居てくれないじゃない‼︎ 」
その時も、女たちの喧騒から逃れ1人屋上に居た琉を探し回り、ようやく見つけたところだった。

