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第13章 俺の周りの企み
「……うるせー女……」

ボソッと呟いた琉の声が聞き取れず、

「え?何か言った?
謝るなら大きな声で言ってよ!
一緒に居たいから探し回るんだから、謝る必要はないけどね」

芙美は琉の隣へと腰を下ろした。

ため息を零し、琉は触れ合った肩をわざと離す。


「照れなくていいのに。
ねぇ、琉……エッチ、する?」

「しない」

「何でぇ?体育倉庫でシテ以来ご無沙汰だよ?浮気しちゃうよ?ねぇ、しようよ?」

「やだ」


女子たちに閉じ込められた体育倉庫…

間抜けな彼女たちは、芙美の携帯を取り上げなかった。

すぐに琉へと連絡を取った芙美。

駆け付けてくれた琉と結ばれたのはその時だ。


電気を点けない体育倉庫は暗くて、
小さな窓から差し込む月明かりも頼りない。

ほとんど真っ暗な中で、お互いの息遣いだけが響く。

緊張から口数が増え、むしろ止まらない芙美。

「少し黙ってて。萎える」

耳元に寄せられた琉の唇。

当時は ”萎える” の意味すらわからず、芙美はただただ口を押さえていた。


それ以来、芙美に触れない琉がもどかしくて、芙美の焦りが募っていく。



「エッチしようよ?ねぇ!
私また口塞いでるからさぁ。
あの時すごく気持ちよかった〜。またしたいよ、いいでしょ?」

「無理。
ていうか1人にしてくんない?」

「えーっ、学校中探し回ってようやく見つけたのに?そんな意地悪言うと女の子たち呼んじゃうよ?」


明らかに不機嫌に顔を歪める琉。

ようやく自分に向けられた視線に、芙美は嬉しそうに笑った。


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