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コンプレックス
第13章 俺の周りの企み

(琉ちゃんは仕事していて、私は家に居るんだもん。せめて双子のことは私が1人で見なきゃ!)
そう張り切って育児をすれば、
「陽向!何で陽花のオモチャを取るの!意地悪しちゃダメ!」
まだ言葉もわからない赤ん坊にもキツく怒ってしまう。
「びぃっ…びぇ〜え〜…」
泣き出した陽向に思わず伸ばした手を引っ込め、
「泣いてばかりいないで!もっと男らしく、強くなりなさい!」
愛里咲はまた陽向を叱る。
「………愛里咲、陽向は悪くない。
陽向が使ってたオモチャを陽花が取ったんだよ。
陽向はそれを取り返しただけだ」
後ろからスッと伸ばされた琉の手が、泣きじゃくる陽向を抱き上げる。
泣き止んだ陽向は、覚束ない言葉で琉に必死に無実を訴えかけていた。
自己嫌悪…
上手く出来ない自分に、愛里咲のイライラが募る。
「何、イラついてる?」
琉から掛けられた言葉にも、
「………何も。イラついてない」
冷たく答えてしまう。
(過去を断ち切らなきゃ……立ち向かわなきゃ……)
(強くならなきゃ……1人で、頑張らなきゃ……)
グルグルと愛里咲の頭の中を回るその言葉に、支配されそうになる。
そう張り切って育児をすれば、
「陽向!何で陽花のオモチャを取るの!意地悪しちゃダメ!」
まだ言葉もわからない赤ん坊にもキツく怒ってしまう。
「びぃっ…びぇ〜え〜…」
泣き出した陽向に思わず伸ばした手を引っ込め、
「泣いてばかりいないで!もっと男らしく、強くなりなさい!」
愛里咲はまた陽向を叱る。
「………愛里咲、陽向は悪くない。
陽向が使ってたオモチャを陽花が取ったんだよ。
陽向はそれを取り返しただけだ」
後ろからスッと伸ばされた琉の手が、泣きじゃくる陽向を抱き上げる。
泣き止んだ陽向は、覚束ない言葉で琉に必死に無実を訴えかけていた。
自己嫌悪…
上手く出来ない自分に、愛里咲のイライラが募る。
「何、イラついてる?」
琉から掛けられた言葉にも、
「………何も。イラついてない」
冷たく答えてしまう。
(過去を断ち切らなきゃ……立ち向かわなきゃ……)
(強くならなきゃ……1人で、頑張らなきゃ……)
グルグルと愛里咲の頭の中を回るその言葉に、支配されそうになる。

