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第14章 【終】俺の彼女の活躍

「え…………」

驚いて立ち竦む愛里咲の目の前で、黒のワゴン車のスライドドアが開く。

そのドアからドカドカと降りてきたのは、

「芙美ちゃん？」

怒りに顔を歪ませた、芙美…だ。


バチン‼︎


「─────っ⁉︎ 」

突然の頰の痛み。

暫くして、ビンタをされたのだと気付き、愛里咲は目を見開いて芙美を見つめた。



「私の幸せを壊すな！」

「え……？」

怒鳴られた内容が、咄嗟には理解出来ない。

首を傾げる愛里咲に、芙美の怒りが更にヒートアップしていく。


「愛里咲のせいで敏友が会社をクビになった！結婚も出来ないって！愛里咲のせいで！」

そう言って、また手を振り上げる芙美。

愛里咲は、思わず目を瞑り身構えた。


なのに……

「…………？」

いつまでも振り下ろされない芙美の手を不思議に思い、愛里咲は恐る恐る目を開いた。


「─────…‼︎ 」

そこに居たのは…

愛里咲の目の前で、芙美の手を押さえるのは…

「しら、と…り……さ、ん……」

上機嫌に口元を綻ばせる、白取だった。