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第14章 【終】俺の彼女の活躍
ジタバタと芙美が暴れる。

「敏友⁉︎ 何で?何で愛里咲を庇うの‼︎ 」

掴まれた腕を振り解こうと必死にもがく芙美。

離された芙美の手首は、痛々しい程に赤くなっていた。


「こんな所で騒ぐな。車に連れて来いと言っただろ」

再び、白取の視線が愛里咲に注がれる。


竦む足。

小刻みに震え始める身体。

それでも、頭に響く警鐘に従い後退る愛里咲。


なのに、

「逃げる気か?」

「ひっ…」

いとも簡単に手首を掴まれる。


足がもつれ、

振り解こうと暴れたせいか尻餅をつく。

そんな愛里咲を見下ろし、

「おとなしく着いてきてもらうよ」

引き摺る白取の口元は、不気味に歪んでいる。


「や、だ……っ」

恐怖から喉に詰まる声。必死に絞り出した声は小さく、誰にも届かない。


芙美と白取に両腕を抱えられ、

愛里咲の身体は、いとも簡単に黒のワゴンへと押し込められた。


「ようやく捕まえた」

ニヤけた白取の顔に、

愛里咲の脳裏に ”あの夜” がフラッシュバックする。


「い、いや…っ、いや‼︎ 琉ちゃっ…」

恐怖に竦む身体を無理矢理動かして、

ようやくドアへと手が届きそうになれば、

ガチャリ…

無情にもロック音が響く。


「ふ、芙美ちゃ…っ、助け…て……」

白取の隣にいる芙美へと視線を向ければ、蔑むような視線を返される。


「自分のやったことわかってんの?ありもしないセクハラの罪を敏友に着せてぇ、子会社への異動だけじゃ飽き足りなかった訳ぇ?あんたのせいで、敏友はクビにされたんだよっ!」


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